東北支援 ふれあいサッカー 球蹴りやろう! 活動報告

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2012.02.10球蹴りやろう! in気仙沼 2012.1.14

【 始まり 】

2011年11月 TTT (Through The Tunnel) は動き出しました。東日本大震災から8ヶ月あまりが経ったころでした。

TTT は3年ほど前から活動している「サギノミヤFC」というアマチュアのフットサルチームが母体となっています。サギノミヤFC というチームは自分たちが楽しみたいという気持ちがとても強いメンバーが集まっています。ある人から見れば、暑苦しいと思います。ある人から見れば、子供っぽく見えるかもしれません。サギノミヤFC とはそんなメンバーの集まりです。

2011年3月11日、東日本大震災が起きてから、メンバーの幾人かは個別にボランティア活動に東北に出向く者もいました。東北に赴いたメンバーは、一様に他のメンバーに現状を伝えていました。現地では多くの人が仮設住宅の暮らしを余儀なくされていること、そして、自分たちと同年代の人達が従来のように仕事ができなくなっている、といった様な情報でした。
そんな日々が続いた10月中頃、メンバーの一人から提案がありました。それは「サギノミヤFCとして現地のために何かしたい」というものでした。

【 何故やるのか? 】

まず最初に取り掛かった事は現地の状況を調べる事でした。
我々ができる事はフットサル。しかもアマチュアのチームです。果たして今、被災地でフットサルなどのイベントが求められているのか?僕たちが行く事は迷惑ではないのか?不謹慎に思われるのではないか?東京在住のメンバーには不安でした。

そこで TTTのメンバーが個別に参加したボランティア支援で知り合い、東京での仕事を休職し現地で働きだした人物に相談を持ちかけました。彼は自分が所属する「IVY気仙沼」という団体を紹介してくれました。
そして、ほとんどのメンバーが気仙沼市出身、在住である IVY気仙沼 のみなさんのご好意を通じて、僕たちの気持ちを現地サッカースクールのコーチに伝えたところ、「是非やりたい」というご返事をいただきました。
サッカーやフットサルをやっていた場所が津波で流されたり、仮設住宅が建ち、満足に練習ができない事などを教えてもらい、僕たちは「やろう」と決意しました。

気仙沼での打ち合わせ

気仙沼での打ち合わせ

【 笑顔 】

何をやるのか。何処でやるのか。いつやるのか。そもそも何故やりたいのか。自分たちがやる意味は何なのか。
会議では様々なことが話し合われ、回を重ねるにつれて、ひとつひとつが具体化していきます。なによりも、

目的は子供たちの笑顔のため。
そして、その笑顔が周りの大人たちの活力になれば、

と考えました。

会議の結果、名前は TTT (Through The Tunnel) 、内容はフットサルとシャボン玉遊びに決まりました。対象はサッカースクールの子供に限らず広く募集。会場は気仙沼市内で日程は2012年1月14日。イベント名は「球蹴りやろう」に決まりました。
それにともない、いろんな方々がメンバーに加わりました。車両の貸し出しから、現地コーディネートや会場に関する交渉、さらに子供たちのプレゼントの提供まで、あらゆる面で助けていただきました。

準備期間中、たくさんの大人たちが、一生懸命になって子供たちの事を考えました。「どうすれば喜んでくれるのか」「どうすれば怪我なく過ごすことが出来るのか」。たった数時間のイベントだけれど、みんなの思いはひとつ。

それは「一緒に笑いあえたら」 。

【 気仙沼へ 】

2012年1月14日。前夜東京を出発し、朝方に気仙沼入り。一同東北の寒さに驚きながら、IVY気仙沼 の事務所に到着しました。

午前中、イベント準備に取りかかった数名以外、IVY気仙沼 のみなさんのお誘いで「瓦礫に花団」に参加しました。「瓦礫に花団」とは津波で流された店舗の前に花壇を作る事により、別の場所で営業再開を示すボランティア活動です。

その時、メンバーの大半は初めて被災地の現状を目の当たりにしました。既に10ヶ月あまりが経過した事を理解した上で現地を歩くと、様々な感情や考えが体中を巡ります。

瓦礫に花団

「瓦礫に花団」の活動の様子

【 本番 】

12:30 現地入り。今回の会場は気仙沼市立水梨小学校体育館です。思った以上に直前の準備に手間どり、慌しい中での受付を開始。集まったのは、総勢50名の現地小学生たち。現地のサッカースクールに入っている子もいれば、中にはサッカー未経験の子もいました。
受付ではそれぞれ胸に名札、腰には生クリームが入ったペットボトルを付けます。

13:30 イベント開始。まずは保護者も含めた全員でウォーミングアップから。体育館を様々な趣向を凝らしたジョギングで駆け回ります。
続いて手つなぎ鬼ごっこ。初対面同士の子供達もいたので、TTTメンバーも積極的に声掛け。「一緒に笑いあう」ためのムード作りを始めます。その後、何人かで手をつなぎ、子供も大人も鬼から逃げ回ります。
この辺りから自然と笑い声や悲鳴なんかも聞こえてくるようになりました。

手をつないで鬼ごっこ

手をつないで鬼ごっこ

体がほぐれたところでコートを2面に分けて、シュート練習。TTTメンバーの見本――みんなが見ている中、緊張して見本になっていない者もおりましたが(笑)――を経て、それぞれが思い思いの角度からポストシュート。大人キーパーから数々のゴールを奪っていました。

真剣な表情でシュート練習

真剣な表情でシュート練習

そして低学年、高学年に分かれてのゲームです。人数が足りないところや学年が下のチームには大人が助っ人に入り、相手チームの子供たちに「ズルイ!」と言われながらも、かなり真剣にプレーしていました。
低学年グループの中には自分のチームがわからなくなって最初からやり直したり、高学年グループの中には大人の股の間を抜いてパスを出したりして、歓声が上がったりもしていました。
いろんなところで怒ったり、悔しがったり、笑ったりしていました。

チームに分かれてのゲーム

チームに分かれてのゲーム

総当り計10ゲームをこなした後、最後はスペシャルマッチ、TTTメンバー 対 保護者の方々 です。子供の遊び場で大人たちも一緒に楽しんでいました。

バターができたの?

フットサルコーナーの最後、腰に付けたペットボトルの種明かし。最初は生クリームだったはずの中身が、体の一部として長時間動き回ったことにより、いつのまにかバターに大変身! 子供達から驚きの声が聞けたので成功ではありましたが、プレー中はちょっと邪魔だったようで、まだまだ改善の余地はあるようです。

そして、プレゼントコーナー。
サッカーボールを人数分、各方面から預かった様々なグッズを順位別にそれぞれ手渡しました。
ここで TTT側の手違いで、プレゼントが平等に行き渡らず、泣き出す子供が出てしまいました。メンバーがあたふたしている中、プレゼントを先にもらっていた高学年の一人が、泣いている子に「あげる」と言って渡し、その子は泣き止みました。
僕たちのミスにより落ち込ませてしまったことの反省はもちろんですが、参加してくれた子供達から素敵な瞬間をもらったことに今でも感謝が尽きません。

子供達ひとりひとりにサッカーボールをプレゼント

プレゼントをもらってにっこり

TSUNAMI PROJECT 様よりお預かりしたあったかグッズも嬉しそう

TSUNAMI PROJECT 様 よりお預かりしたあったかグッズも嬉しそう

プレゼントコーナーが終わると、TTT側で用意したシャボン玉コーナーと IVY気仙沼 のみなさんで用意していただいた餅つきコーナーに分かれます。
フットサルに参加できなかった小学生以下の子供たちや、保護者の方にもご参加いただききました。

子供が入れる大きなシャボン玉にびっくり

子供が入れる大きなシャボン玉にびっくり

気が付けば、あっと言う間に 16:30。イベント終了の時刻がやってきました。
出口にて子供達をハイタッチで見送る時、スタッフの「またね!」という言葉に子供達から「うん、また!」という言葉が返ってきました。
3時間という限られた時間の中ではありましたが、「一緒に笑いあう」事が出来たのではないかと思います。

子供たちの笑顔

【 他人事ではなく 】

会場撤収の後、IVY気仙沼 の方々と酒宴を囲みました。
そこでは楽しく話しながらも、TTTメンバーそれぞれが、気仙沼の方々に震災当時の話や気仙沼の現状をお聞きしました。中には話しにくい内容もあったと思います。話して下さりありがとうございました。メンバーそれぞれが様々なことを感じ、考えた事と思います。

翌日15日の午前中、IVY気仙沼 のメンバーの方に案内をお願いし、短い時間でしたが気仙沼周辺を歩いて回りました。現地の方のお話を聞きながら街を歩くことは、一段と他人事ではないという思いを強くします。

そして13:00 一同は気仙沼を出発。
行きは内陸部の東北道一関ICから気仙沼入りしたのですが、帰りは少しでも被害状況を把握したいと思い、沿岸部を通り南三陸町を抜け、桃生津山ICから三陸自動車道へ入り、仙台東部有料道路、仙台南部有料道路を経て東北道に入るというコースを取りました。津波による被害区域全体のほんの一部を走っただけでしたが、計り知れない被害の大きさを実感させる風景が続きました。

【 これから 】

最後になりましたが、今回のイベントを開催するにあたり、TTT の活動に賛同して下さった多くの方々には、一同心から感謝しております。
皆様のお力がなければ、「あの時行けたらよかったね」で終わってた可能性もあったかもしれません。皆様の強力なるご支援、励ましがあったからこそ、こうして大きな事故や怪我もなく、無事に開催報告をすることが出来ました。
子供達が泣いたり、怒ったり、悔しがったりすると、大人達がなだめたり、おだてたり、叱ったりする。そして一緒に笑いあう。そんな「普通の休日」を過ごせたんじゃないかと思います。
本当にありがとうございました。

これからも TTT は、被災地の方々と一緒に笑いあえるように、皆で力を合わせて活動を続けてまいります。
引き続きご支援・ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

文 くらがの 

—————— special thanks ——————

会計のご報告 | 写真スライド(イベントの様子と気仙沼の様子をご覧いただけます)

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